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Microsoft Certifications · SC-300 Deep Dive

Microsoft認定資格ガイド
資格一覧・難易度・費用の整理と、SC-300(Identity and Access Administrator)合格の実践情報

Microsoft認定資格はFundamentals(基礎)/Associate(実務者)/Expert(上級)の3階層で構成され、分野ごとに数十種類が存在します。本稿ではまず全体像を一覧表で整理し、分類・内容と難易度・初回受験料・維持費(結論から言えば更新は無料)を横断的に把握できるようにします。あわせて、2026年は対象試験の約1割規模が退役する大改編の年である点にも触れます。そのうえで、ID・アクセス管理を担うSC-300(Microsoft Identity and Access Administrator)に絞り、試験範囲・勉強方法・受験方法・参考サイトなど、合格に必要な情報を実践的にまとめます。

対象試験:SC-300 認定名:Identity and Access Administrator Associate 情報時点:2026年7月

1結論サマリ

2Microsoft認定資格の全体構造(3階層)

Microsoftは認定資格を役割(ロール)ベースで整理しており、難易度・想定読者に応じて3つの階層に分かれます。試験コードの先頭2〜4文字が分野(AZ=Azure、SC=Security・Compliance・Identity、MS=Microsoft 365、MD=Microsoft Endpoint、PL=Power Platform、DP=Data、AI=AIなど)を表します。

階層想定読者有効期限初回受験料(目安)維持費
Fundamentals(基礎)IT未経験者・非エンジニア職を含む、概念理解の入門レベル無期限(更新不要)$99(税別)なし(そもそも更新が不要)
Associate(実務者)該当領域の実務経験がある専門職。ハンズオンでの操作知識を問われる取得日から1年$165(税別)なし(更新アセスメントは無料)
Expert(上級)複数領域を横断する設計・アーキテクチャレベルの経験者取得日から1年$165(税別)なし(更新アセスメントは無料)
受験料は米ドル建ての公式価格を基準にした目安。日本で受験する場合は予約時の画面で円建て金額が提示されるが、為替やキャンペーンにより変動するため、申込直前に公式サイトで確定額を確認すること。この受験料は初回取得時に一度かかるだけで、以後の更新で追加の受験料は発生しない(詳細は第5章)。

3主要資格一覧(分類・内容と難易度・価格・維持費)

代表的な資格を階層別に整理した。難易度は「実務未経験からどの程度の準備期間が必要か」の目安であり、個人差がある。維持費はどの階層でも発生しない——Fundamentalsは更新自体が不要で、Associate・Expertは1年ごとの更新が必要だが更新アセスメントが無料のため(詳細は次章)。以下の見出しに記載した金額は、いずれも初回取得時の受験料である。

Fundamentals(無期限・初回受験料$99)

資格コード内容難易度
AZ-900
Azure Fundamentals
クラウドの基礎概念とAzureの主要サービス概観入門。IT未経験でも数週間の学習で合格圏
SC-900
Security, Compliance, and Identity Fundamentals
セキュリティ・コンプライアンス・IDに関する基礎用語と概念入門
MS-900
Microsoft 365 Fundamentals
Teams・Exchange・SharePoint等のM365クラウドサービス概観とライセンス体系入門
PL-900
Power Platform Fundamentals
Power Apps/Automate/BI/Copilot Studio(旧Power Virtual Agents)の基礎入門
DP-900
Azure Data Fundamentals
リレーショナル/非リレーショナルDBとデータ分析の基礎概念入門

Associate(1年更新・初回受験料$165・更新は無料)

資格コード内容難易度
AZ-104
Azure Administrator Associate
Azureリソース(仮想マシン・ストレージ・ネットワーク)の運用管理と監視中級。実務経験が前提として推奨される
SC-200
Security Operations Analyst Associate
Microsoft Defender/Sentinelを用いた脅威検知・調査・対応中級〜やや高め。ログ分析の実務感覚が問われる
SC-300 ★本稿の重点
Identity and Access Administrator Associate
Entra IDを用いたID・認証・アクセス管理とガバナンス中級〜上級。対象範囲(認証/アプリ連携/ガバナンス)が広い
MS-102
Microsoft 365 Administrator
M365テナントの管理・セキュリティ設定・Copilot管理を含む統合管理中級
MD-102
Endpoint Administrator Associate
Intuneによるデバイス・アプリ・ポリシー管理中級

Expert(1年更新・初回受験料$165・更新は無料)

資格コード内容難易度
AZ-305
Azure Solutions Architect Expert
Azureソリューション全体のアーキテクチャ設計。2026年4月の更新でAZ-104合格が受験の前提条件として必須化上級
AZ-400
DevOps Engineer Expert
CI/CDパイプラインやDevOpsプラクティスの設計・実装上級
SC-100
Cybersecurity Architect Expert
複数領域(ID・データ・インフラ・アプリ)を横断したセキュリティ全体設計上級。関連するAssociate資格の実務経験が前提

4【注意】2026年の大量退役ラッシュ

Microsoftは2026年4月〜9月にかけて、役割ベース認定資格の大規模な再編を実施中で、対象は十数種類の試験・資格に及ぶ。AI(人工知能)関連の新資格へ置き換える動きが中心。これから学習を始める資格が退役対象でないかを必ず先に確認すること。

退役する資格退役時期状況(2026年7月24日時点)後継として案内されている試験
DP-100(Azure Data Scientist Associate)2026年6月1日退役済み
AI-900(Azure AI Fundamentals)2026年6月30日退役済みAI-901
AI-102(Azure AI Engineer Associate)2026年6月30日退役済みAI-103
PL-500/PL-600(RPA開発者/Power Platformソリューションアーキテクト)2026年6月30日退役済み
AZ-204(Azure Developer Associate)2026年7月31日まもなく退役(約1週間後)AI-200
AZ-500(Azure Security Engineer Associate)2026年8月31日退役予定SC-500
PL-200(Power Platform Functional Consultant)2026年8月31日退役予定
AZ-800/AZ-801(Windows Server Hybrid Administrator)2026年9月30日退役予定AZ-802
注意:資格が退役しても、既に取得済みの認定は失効するまでの間そのまま有効(更新できる場合は更新も可能)。ただし退役後は新規受験ができないため、後継試験へは自動移行されず、改めて学習し直して合格する必要がある。退役日・後継試験は変更されることがあるため、着手前に必ず公式の退役予定ページで最新状況を確認すること。

5維持費の実態——資格更新の具体的な仕組み

「維持費」という言葉から追加の受験料を連想しがちだが、Microsoft認定の更新は無料・オンライン・無監督(試験監督なし)で行える。資格を維持するために追加で支払う費用は発生しない——必要なのは、期限が切れる前に更新アセスメントを受けて合格しておくことだけである。

実務上の意味:「維持費=毎年数万円かかる」ということはなく、更新にお金はかからない。ただしクラウドサービスは機能変更が速く、更新アセスメントの内容も毎年変わるため、資格を活かし続けるなら年1回、新機能のキャッチアップをする前提で考えておきたい。

6AWS系資格との比較

クラウド資格を検討するとき、MicrosoftとAWSは必ず比較対象になる。両者は階層の考え方は似ているが、有効期限と更新方法の設計思想が大きく異なる。ここを理解しないと「取った後の負担」を見誤る。

6-1. 制度の比較

観点MicrosoftAWS
階層Fundamentals/Associate/Expert の3層Foundational/Associate/Professional/Specialty の4層
初回受験料$99(Fundamentals)/$165(Associate・Expert)$100(Foundational)/$150(Associate)/$300(Professional・Specialty)
有効期限Fundamentalsは無期限/Associate・Expertは1年一律3年
更新方法無料のオープンブック・無監督オンラインアセスメント(Microsoft Learn上)①同じ試験の最新版に再合格(再認定料 $75)/②上位試験に合格/③Skill Builderの再認定アセスメント(対象資格のみ・1年延長
更新の負担軽い。短時間・資料参照可・何度でも再挑戦可重い。実質的に本試験の再受験に近く、費用も発生する
失効時の猶予猶予なし。失効すると本試験を受け直し期限後180日の猶予期間があり、割引価格で再認定できる
設計思想の違い:Microsoftは「短い期限(1年)+無料で軽い更新」、AWSは「長い期限(3年)+重く有料の更新」1年あたりの金銭負担で見ればMicrosoftが有利(更新が無料なので初回受験料以降はかからない)だが、更新を意識する頻度はMicrosoftの方が3倍高い。資格を複数持つと、Microsoftは毎年その数だけアセスメントを受けることになる点に注意。

6-2. 役割が近い資格の対応関係

MicrosoftAWSの近い資格備考
SC-300(Identity and Access Administrator)該当なし(強いて言えば AWS Certified Security – Specialty の IAMドメイン)AWSにID専任の資格は存在しない。IAMはSecurity – Specialtyの1ドメイン(配点16%)として扱われる
SC-100(Cybersecurity Architect)AWS Certified Security – SpecialtyAWS側はSpecialty($300)。セキュリティ全般を1本で扱う
AZ-104(Azure Administrator)Solutions Architect – Associate / SysOps Administrator – Associate運用寄りはSysOps、設計寄りはSAA
AZ-305(Solutions Architect Expert)Solutions Architect – Professionalいずれも上位資格。AZ-305は2026年4月からAZ-104が前提条件
AZ-900(Azure Fundamentals)Cloud Practitioner(Foundational)入門レベル。Microsoftは無期限、AWSは3年で失効
SC-300を検討する人にとって重要な点:AWSにはID・アクセス管理だけを扱う資格が無い。これは、Entra IDがMicrosoft 365とAzureを横断する組織全体のID基盤として独立した職務領域を形成しているのに対し、AWS IAMはセキュリティ領域の一部として位置づけられているという、製品構造の違いを反映している。「IDの専門家」という肩書きを資格で示したいなら、選択肢は実質的にSC-300側にしかない——これはSC-300を選ぶ実務上の理由になる。

7資格の「寿命」をどう見積もるか

資格には2種類の寿命がある。混同されがちだが、学習計画に効いてくるのは後者の方である。

7-1. 実績から見えるパターン

事例何が起きたか示唆
Microsoft 2026年の再編4〜9月にかけて十数の役割ベース資格が退役し、AI系の新資格へ置き換えラインごと消えることがある。後継への自動移行はなく、受け直しが必要
AWS 2024年4月Data Analytics/Database/SAP on AWS の3つのSpecialtyが退役し、Data Engineer – Associateへ再編周辺Specialtyは統廃合されやすい
AWS 主要ラインSecurity – Specialtyは SCS-C01→C02→C03 と版番号の更新で存続中核ラインは廃止でなく版更新で生き延びる
SC-3002026年4月にGlobal Secure Accessを追加する内容更新現役で維持されている。更新=存続のサイン
読み取れる法則:「その資格が対象とする職務が、組織に恒常的に存在するか」が寿命を決める。ID管理・インフラ運用・セキュリティ監視は常設の職務なので資格ラインも残りやすい。一方、特定製品や旬の技術に紐づいた周辺資格(データ分析基盤、特定ミドルウェア、AIの個別領域など)は統廃合の対象になりやすい

7-2. 区分ごとの寿命の見立て

以下は公式の予告ではなく、上記の実績パターンから導いた著者の見立てである。判断材料として使い、確定情報は必ず公式の退役予定ページで確認すること。

区分形式的有効期限ライン存続の目安価値が薄れる主因
入門系
(AZ-900/SC-900/Cloud Practitioner)
MS無期限/AWS 3年長い制度としては安定。ただしそもそも評価の重みが軽く、実務経験の代替にはならない
中核Associate
(SC-300/AZ-104/SAA)
MS 1年/AWS 3年長めライン自体は残るが内容が毎年更新される。知識の陳腐化が主なリスク
上位・Expert系
(AZ-305/SC-100/SAP)
MS 1年/AWS 3年中程度前提条件や試験範囲の再編(AZ-305のAZ-104必須化のような構造変更)
周辺Specialty
(特定領域に特化したもの)
MS 1年/AWS 3年短い統廃合リスクが最も高い。AWSの3Specialty退役が典型例
新設・旬の技術系
(AI関連の新資格など)
同上不透明技術トレンドの移動が速く、数年で再編される可能性を織り込む必要がある

7-3. 実務上の意思決定への落とし込み

8【重点】SC-300とは

SC-300はMicrosoft Certified: Identity and Access Administrator Associateの認定試験。Entra ID(旧Azure AD)を中心に、組織のID・認証・アクセスの設計と運用を担う役割を対象とする。

9SC-300 試験範囲(4ドメイン)

試験は100分・約40〜60問(多肢選択・ケーススタディ=長文の要件を読んで複数設問に答える形式・ドラッグアンドドロップ等混在)、合格ライン700/1000受験料$165(税別・目安)。4つのドメインにほぼ均等に配点されている。

ドメイン配点主な内容
1. ユーザーIDの実装と管理20〜25%クラウドID・ハイブリッドID(オンプレADとEntra IDの連携)の作成・同期・ライフサイクル管理
2. 認証とアクセス管理の実装25〜30%MFA(多要素認証)・パスワードレス認証・条件付きアクセス(誰が/どの端末で/どこから、を条件に判定するアクセス制御)・Global Secure Access
3. ワークロードIDとアプリケーションアクセスの計画・実装20〜25%ワークロードID(人間ではなくアプリやサービスが使うID)の管理、アプリ登録、B2B(社外ゲスト招待)・B2C連携
4. IDガバナンスの計画・実装20〜25%PIM(Privileged Identity Management=管理者権限を必要な時だけ一時的に付与する仕組み)、アクセスレビュー(権限の棚卸し)、エンタイトルメント管理(権限一式の申請・承認をまとめる仕組み)
配点は大きく偏っていないため、4ドメインを満遍なく学習するのが基本戦略。特に配点が最も高い「認証とアクセス管理」は、条件付きアクセスの設計パターンを重点的に押さえておく。

10SC-300 勉強方法

  1. 公式ラーニングパス(無料):Microsoft Learn上の「Implement an identity management solution using Microsoft Entra ID」等、SC-300向けの公式モジュール群を通しで学習する。4ドメインに沿って章立てされている。
  2. Exam Readiness Zone(無料動画):Microsoft Learn Showsで配信されている、ドメインごと全4回の解説シリーズ。試験官・MVPによる出題傾向の解説があり、公式ラーニングパスの補完に向く。
  3. 実機操作:座学だけでは不十分な出題が多いため、Microsoft 365 Developerプログラム(無料の評価用テナントを取得できる)等でEntra管理センターに実際にログインし、条件付きアクセスポリシーの作成、PIMでのロール割り当て、アクセスレビューの設定を手を動かして確認する。
  4. 公式Practice Assessment(無料の模擬試験):Microsoft Learn上で提供される公式の練習問題で、本番の出題形式・難易度感をつかむ。
  5. 講師付き公式コース(有償・任意):「SC-300T00-A」等の公式トレーニングコース。独学で行き詰まった場合や、業務でまとまった研修時間を確保できる場合の選択肢。
優先順位の目安:まず無料の公式ラーニングパスで全体像をつかみ、実機操作で「読んだだけ」を「触った」に変換し、仕上げにExam Readiness Zoneと模擬試験で弱点を確認する、という順序が効率的。

11SC-300 受験方法

通信トラブルや機材故障でオンライン受験が続行できなかった場合、Pearson VUEでケースを起票すれば再受験の待機期間免除を申請できることがある。それ以外の理由(準備不足等)では待機期間は免除されない。

12合格のためのポイント

13まとめ/出典

試験範囲・価格・退役予定・更新ルール(2026年7月時点)は変更され得ます。受験計画時は各公式ページで最新情報を必ずご確認ください。

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